2007年01月29日

「風林火山」の語釈について

風林火山

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本年から始まったNHK大河ドラマ「風林火山」。武田信玄の旗印で有名なこの言葉のルーツは孫子にある。すなわち風林火山は「孫子 第七篇 軍争」の一節から取ったもので、その原文と語釈は以下のとおりである。
【原文】
 其疾如 其の疾(はや)きこと風の如く、
 其徐如 其の徐(しずか)なること林の如く、
 侵掠如 侵掠すること火の如く、
 不動如 動かざること山の如く、
 難知如陰 知り難きこと陰の如く、
 動如雷霆 動くこと雷霆(らいてい)の如し。
 掠郷分衆 郷(むか)うところを掠(かす)めて衆を分かち、
 廓地分利 地を廓(ひろ)めて利を分かち、
 懸権而動 権を懸けて而して動く。
  
【語釈】
・軍がひとたび動くべき機会をつかんだら、その行動の迅速なること疾のごとくなければならない。
・軍がひとたびゆるやかな前進・機動を必要と見たら、その行動の正々粛々なることのごとくなければならない。
・軍がひとたび敵地を侵掠するときは、その勢いの激しく猛烈なることのごとくなければならない。
・我の状況作為による敵情を判断し、ひとたび持重を要すると見たときは、少しも慌てず泰然字若たる落ち着きを示すことのごとくならねばならない。
・以下省略
 
 (省略の理由)
 この節は、孫子が「迂直の計」における用兵の要諦を例示的に曰うものであるが、この節の語釈のみで表面的に「迂直の計」を解説することは孫子塾がいうところのいわゆる「断章取義」になり兼ねないからである。孫子の云わんとするところを、正確に理解するためには「孫子 第七篇 軍争」のみならず、「孫子十三篇」の全体を理解する必要がある。
 それほど、孫子十三篇は体系的理論構成であり、孫子の言は深みがあるからである。


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