2007年02月28日

リスクマネジメントと内部統制の関係は?

exclamation&questionリスクマネジメント(RM)と内部統制の関係がわかりにくいので説明してください。

????L平成15年6月、リスク管理・内部統制に関する研究会が発表した「リスク新時代の内部統制」のなかで、両者の関係が以下のように説明されています。
1.リスクマネジメント及び内部統制
 リスクマネジメントとは、企業の価値を維持・増大していくために、企業が経営を行っていく上で、事業に関連する内外の様々なリスクを適切に管理する活動である。リスクマネジメントは、もともと、災害の発生に対する対応や金融面における不確実性の管理という観点から生まれ発展してきたものであるが、経済社会における不確実性を管理する必要性が高まってきている中で、現在では、広範なリスクを管理するための活動として理解されるようになってきている。
 内部統制とは、企業がその業務を適正かつ効率的に遂行するために、社内に構築され、運用される体制及びプロセスである。内部統制は、市場経済社会において、企業法制が形づくるシステム全体が成立するための前提であるが、同時に企業が事業目的の達成に係るリスクを低減させ、持続的に発展していくためにも不可欠である。内部統制は、企業が事業を行う上で欠かすことのできないものであり、各企業の中で個別に発展してきたが、不正な財務報告に関する事件等を契機として、概念の整理が行われ、1990 年代以降、米、英等において指針が示されてきている。
 リスクマネジメント及び内部統制は、それぞれが異なる背景を持ち、違った経路を経て発展してきたが、企業を取り巻く様々なリスクに対応し、企業価値を維持・向上するという観点からは、その目的は多くの共通部分を有している。
 昨今、企業を取り巻く環境が変化し、かつ、環境変化への対応が市場等により厳しく評価されるようになってきている中で、これらを一体的にとらえ、機能させていくことが必要となってきている。


2.リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制
内部統制の構成は、企業全体で共有され、企業構成員が業務執行する際の拠り所となる「内部統制の基盤」と、その上で個別に運用される「内部統制における機能」に大きく区分できる。
 「内部統制の基盤」と「内部統制における機能」は、相互に影響を及ぼしながら企業活動の遂行を支援することから、両者を厳密に区分することは難しいが、リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の全体図は概ね次のとおりと考えることができる。 
(クリックで拡大)
内部統制全体図

2007年02月28日

J-SOX実施基準の概要

 2月15日に金融庁から確定版として発表された、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に記載されている実施基準の主な内容は以下のとおりである。

(1)内部統制の基本的枠組み
 実施基準においては、基準に示された内部統制の4つの目的と6つの基本的要素のそれぞれについて、詳細な説明を加えている。また、内部統制の基本的な枠組みを踏まえて、内部統制報告制度の導入に向けた準備を進める企業等の参考に資するよう、財務報告に係る内部統制構築の要点を示すとともに、一般的な手続としての財務報告に係る内部統制構築のプロセスを例示した。

(2)財務報告に係る内部統制の評価及び報告
@ 全社的な内部統制の評価項目
 実施基準においては、全社的な内部統制の評価に関して具体的な評価項目を例示し、各企業等が適宜活用できることとした。
A 業務プロセスに係る内部統制の評価範囲
 業務プロセスに係る内部統制の評価に関しては、既述したトップダウン型のリスク・アプローチの考え方に基づく評価が適切に行われるよう、評価範囲の決定について、絞り込みの方法を具体的に示している。例えば、売上高等の指標を用いて、金額の高い拠点から合算し、全体の概ね3分の2程度に達するまでの拠点を重要な拠点として選定することとした。一般的な事業会社の場合、これらの重要な事業拠点における3つの勘定科目(売上、売掛金及び棚卸資産)に至る業務プロセスは、原則として評価対象となる。その上で、財務報告への影響を勘案して、重要性の大きい業務プロセスが他にある場合には、これらを個別に評価対象として追加することで適切な評価範囲を決定することとした。
B 監査人との協議
 監査人が、経営者の決定した評価範囲の妥当性を検討した結果、それが適切でないと判断した場合、経営者が新たな評価範囲について、業務プロセスに係る内部統制の有効性を評価し直すことは、時間的な制約等から困難となることが想定される。
このため、実施基準では、評価範囲について、経営者が評価範囲を決定した時点で、必要に応じて監査人と事前に協議しておくことが適切であるとした。
C 重要な欠陥の判断指針
 内部統制の不備のうち、重要な欠陥については、内部統制報告書において開示する必要があるが、内部統制の不備が重要な欠陥に該当するかどうかを判断する際には、不備の金額的重要性及び質的重要性を勘案して判断することとし、金額的重要性について、その判断基準を具体的に例示した。
D 評価手続等の記録及び保存
 内部統制の評価に係る記録の形式、方法等について、企業の作成・使用している記録等を適宜、利用し、必要に応じそれに補足を行っていくことで足りることを明示した。

(3)財務報告に係る内部統制の監査
 既述のとおり内部統制監査は、原則として、財務諸表監査と同一の監査人が実施することとされており、実施基準では、内部統制監査に係る監査計画について、財務諸表監査に係る監査計画と一体的に策定するとともに、それぞれの監査で得られた監査証拠は相互に利用可能であることを明示した。