2007年02月27日
J-SOX基準 (4)検証の水準とコスト負担の考慮
内部統制に係る監査人による検証は、信頼し得る財務諸表作成の前提であると同時に、効果的かつ効率的な財務諸表監査の実施を支える経営者による内部統制の有効性の評価について検証を行うものである。また、この検証は、財務諸表監査の深度ある効率的実施を担保するためにも財務諸表の監査と一体となって行われるが、同一の監査人が、財務諸表監査と異なる水準の保証を得るために異なる手続や証拠の収集等を行うことは適当でないのみならず、同一の監査証拠を利用する際にも、保証の水準の違いから異なる判断が導き出されることは、かえって両者の監査手続を煩雑なものとすることになる。これらのことから、内部統制の有効性の評価についての検証は、「監査」の水準とすることとした。
ただし、具体的な「監査」手続等の内容を検討するに当たっては、監査人のみならず、財務諸表作成者その他の関係者にとって過度の負担にならないように留意する必要がある。
このため、経営者による評価及び監査人による監査の基準の策定に当たっては、評価・監査に係るコスト負担が過大なものとならないよう、先行して制度が導入された米国における運用の状況等も検証し、具体的に以下の方策を講ずることとした。
@ トップダウン型のリスク・アプローチの活用
経営者は、内部統制の有効性の評価に当たって、まず、連結ベースでの全社的な内部統制の評価を行い、その結果を踏まえて、財務報告に係る重大な虚偽記載につながるリスクに着眼して、必要な範囲で業務プロセスに係る内部統制を評価することとした。
A 内部統制の不備の区分
本基準では、内部統制の不備を、財務報告に与える影響に応じ「重要な欠陥」と「不備」との2つに区分することとした。米国では不備を「重要な欠陥」「重大な不備」「軽微な不備」の3つに区分していることから、財務報告への影響等についての評価手続がより複雑なものになっているとの指摘がある。
B ダイレクト・レポーティングの不採用
監査人は、経営者が実施した内部統制の評価について監査を実施し、米国で併用されているダイレクト・レポーティング(直接報告業務)は採用しないこととした。この結果、監査人は、経営者の評価結果を監査するための監査手続の実施と監査証拠等の入手を行うこととなる。
C 内部統制監査と財務諸表監査の一体的実施
内部統制監査は、財務諸表監査と同一の監査人が実施することとした。これにより、内部統制監査で得られた監査証拠及び財務諸表監査で得られた監査証拠は双方で利用することが可能となり、効果的かつ効率的な監査の実施が期待できる。
D 内部統制監査報告書と財務諸表監査報告書の一体的作成
内部統制監査報告書については、財務諸表監査報告書と合わせて記載することを原則とした。
E 監査人と監査役・内部監査人との連携
監査人は、監査役などの監視部門と適切に連携し、必要に応じ、内部監査人の業務等を適切に利用できることとした。
なお、監査役等は、独立した立場で経営者の職務の執行について業務監査の責務を担っていることから、企業等の内部統制に係る監査を業務監査として行うとともに、大会社等においては、監査役等が会計監査人が計算書類について実施した会計監査の方法と結果の相当性を評価することとされている。
一方、本基準で示す内部統制の監査において、監査人は、監査役が行った業務監査の中身自体を検討するものではないが、財務報告に係る全社的な内部統制の評価の妥当性を検討するに当たり、監査役等の活動を含めた経営レベルの内部統制の整備及び運用状況を統制環境等の一部として考慮することとなる。
2007年02月27日
J-SOX基準 (3)財務報告に係る内部統制の監査
経営者による財務報告に係る内部統制の有効性の評価は、その評価結果が適正であるかどうかについて、当該企業等の財務諸表の監査を行っている公認会計士等(以下「監査人」という。)が監査することによって担保される。
内部統制監査と財務諸表監査が一体となって行われることにより、同一の監査証拠を双方で利用するなど効果的でかつ効率的な監査が実施されるよう、内部統制監査は、当該企業の財務諸表監査に係る監査人と同一の監査人(監査事務所のみならず、業務執行社員も同一であることを求めている。)が実施することとした。
監査人は、企業の置かれた環境等を踏まえ、経営者による内部統制の整備並びに運用状況及び評価の状況を十分に理解し、監査上の重要性を勘案して監査計画を策定する。また、監査人は、経営者による内部統制の評価の結果を監査することから、まず、経営者により決定された評価範囲の妥当性を検討し、次いで、経営者が評価を行った全社的な評価及び全社的な評価に基づく業務プロセスに係る内部統制の評価について検討する。
監査人は、経営者による財務報告に係る内部統制の有効性の評価に対する意見等を「内部統制監査報告書」として作成し報告するが、同報告書は、原則として、財務諸表監査における監査報告書と合わせて記載することとした。
2007年02月27日
J-SOX基準 (2)財務報告に係る内部統制の評価及び報告
経営者は、内部統制を整備・運用する役割と責任を有しており、財務報告に係る内部統制については、その有効性を自ら評価しその結果を外部に向けて報告することが求められる。
この評価は、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲において行うものであり、この評価範囲は、財務報告に対する金額的及び質的影響の重要性を考慮して、合理的に決定することとした。これにより、例えば、重要性の乏しい勘定科目又は重要性の乏しい子会社若しくは関連会社などは評価の対象とする必要はない。
経営者が、内部統制の有効性を評価するに当たっては、まず、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(以下「全社的な内部統制」という。)について評価を行い、その結果を踏まえて、業務プロセスに係る内部統制について評価することとしている。これは、適切な統制が全社的に機能しているかどうかについて、まず心証を得た上で、それに基づき、財務報告に係る重大な虚偽記載につながるリスクに着眼して業務プロセスに係る内部統制を評価していくという、トップダウン型のリスク重視のアプローチを採用するものである。
経営者は、「内部統制報告書」を作成し、財務報告に係る内部統制の有効性の評価結果等を記載することとした。
2007年02月27日
J-SOX基準 (1)内部統制の基本的枠組み
(1)内部統制の基本的枠組み
内部統制は、基本的に、企業等の4つの目的(@業務の有効性及び効率性、A財務報告の信頼性、B事業活動に関わる法令等の遵守、C資産の保全)の達成のために企業内のすべての者によって遂行されるプロセスであり、6つの基本的要素(@統制環境、Aリスクの評価と対応、B統制活動、C情報と伝達、Dモニタリング、EITへの対応)から構成される。このうち、財務報告の信頼性を確保するための内部統制を「財務報告に係る内部統制」と定義し、本基準では、この有効性について経営者による評価及び公認会計士等による監査を実施する際の方法及び手続についての考え方を示している。
国際的な内部統制の枠組みとして、米国のCOSO(トレッドウェイ委員会支援組織委員会)の内部統制の基本的枠組みに関する報告書(以下「COSO報告書」という。)などがあるが、本基準においては、国際的な内部統制議論がCOSO報告書をベースとしていることにかんがみ、COSO報告書の枠組みを基本的に踏襲しつつも、我が国の実情を反映し、COSO報告書の3つの目的と5つの構成要素にそれぞれ1つずつ加え、4つの目的と6つの基本的要素としている。
すなわち、内部統制の目的に関して、我が国においては、資産の取得、使用及び処分が正当な手続及び承認のもとに行われることが重要であることから、独立させて1つの目的として明示した。
また、内部統制の基本的要素に関しても、COSO報告書公表後のIT環境の飛躍的進展により、ITが組織に浸透した現状に即して「ITへの対応」を基本的要素の1つに加えている。
なお、COSO報告書の構成要素という用語を基本的要素としているのは、これらの要素は例示であることを明確にしたものである。
上記の内部統制の4つの目的は相互に関連を有しており、企業等は、内部統制を整備・運用することにより、4つの目的を達成していくことになる。財務報告の信頼性との関係からみると、経営者は、自社のすべての活動及び社内のすべての従業員等の行動を把握することは困難であり、それに代わって、経営者は、企業内に有効な内部統制のシステムを整備・運用することにより、財務報告における記載内容の適正性を担保することとなる。
また、内部統制システムの整備・運用を通じて財務報告の信頼性を確保していくことは、業務の有効性及び効率性の確保による情報処理コストの削減、さらには、市場における資金調達機会の拡大や資金調達コストの削減等を通じて一定のメリットを企業等にもたらすこととなる。
経営者には、内部統制の基本的要素が組み込まれたプロセスを構築し、それを適切に機能させていくことが求められている。このため、単に内部統制を整備するだけでなく、それを意図していたように機能させていくことが重要となる。
なお、具体的に内部統制をどのように整備し、運用するかは、個々の企業等が置かれた環境や事業の特性、規模等によって異なるものであり、一律に示すことは適切でない。経営者には、それぞれの企業の状況等に応じて、内部統制の機能と役割が効果的に達成されるよう、自ら適切に工夫を行っていくことが期待される。
2007年02月27日
その道のプロによる診断の効果
自己流であった、クロールや平泳ぎの基本を学び、実践し、悪癖を改善することにより、無駄な動きが少なくなり泳ぎのスピードが向上してきた。
本日は「初めてのバタフライ」コースに参加し、苦手としていたバタフライに挑戦してきた。なかなか難しいが、コーチにから指摘される事項をひとつひとつ改善することにより徐々に様になりつつある。
この水泳のレッスンを通じて、やはり、その道のプロ(専門家)から、セオリーを学ぶことの重要性を痛感した。自己流では気がつかない癖(問題)が発見でき改善できるからだ。
私が、コンサルティングのテーマとしている「内部統制の整備」についても、専門家の指導を受け、先ず基本をマスターしてから取り組むことが、近道であり効果的であると考える。

